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2008年7月 7日 (月)

別れ・・・

6月27日、夫のおばあちゃん、つまりうちの子供たちにとってのひいおばあちゃんが天に召されました。98歳の大往生でした。

おばあちゃんはお義母さんの弟と一緒に住んでいて、頻繁な行き来があったわけではありませんが、たまに顔を見せに行くとニコニコと歓迎してくれ、私たち家族みんな大好きなおばあちゃんでした。

おばあちゃんはとてもすごい人で、若い時おじいちゃんが亡くなってしまったので、お義母さんと弟さんの二人の子育てをしながら自営の酒屋さんを一人で切り盛りしてきました。当時の酒屋さんは、店先で立ち飲みできるようになっていたらしく、おばあちゃんは酔っぱらいの男性に女だからと馬鹿にされないよう気丈に立ち回ってきたとよく話してくれました。また、なにより酒屋の仕事は力仕事ですから、足腰が丈夫で、90歳近くなるまでよくお友達と区の宿泊施設に旅行に行っていました。私たちも、確か10年位前に一緒に箱根旅行に出かけたことがあります。子どもたちがまだ赤ちゃんだったのでたぶん見ているだけで疲れたと思うのですが、自分からベビーカーを押してくれたり、抱っこをしてくれたり、疲れた様子を見せず進んでニコニコと面倒をみてくれたのが印象的でした。

最近はほとんど外に出なくなったと聞いていましたが、5月になるとご飯を食べなくなったそうで、一旦入院しました。病院では家族に対して「どちらさま?」と聞くようになってしまったらしく、もう会っても誰だかわかってもらえないかな~と寂しく思っておりました。6月になり退院してきたとの連絡を受け、すぐに会いに行きたかったのですが、あまり次々に色々な人が来ると疲れてしまうということでしばらく待っている間、私は6月後半に控えた発表会とイベントの衣装作りや準備でどんどん忙しくなっていきました。そんな中、6月14日の土曜日、社員旅行中の夫から「おふくろが明日ばあちゃんに会いに行くから一緒に行って顔を見せてくれないか」とのメールが来ました。私は、唯一この日曜だけちょっとまとまった時間があったので1週間後に着る衣装を仕上げなければ、と思っており、これを優先させたいと告げ、平日に時間を作って行くからと一旦断りました。

しかし、気になりました。果たして本当に平日行けるのか?ここで断ったことで後で後悔しないかと。それでもう一度考えてみると、日曜で私も子供たちも出かける予定のない日はこの日だけで、しかもお義母さんも、お義父さんが入院中だから出かけられるけど、次の週退院することが決まっていたのでそうなると介護でまた出かけられなくなる。。。衣装は残り5日で1~2時間ずつ使えば何とかなるのではないか、優先すべきはおばあちゃんではないかと思うに至りました。そこで急きょお義母さんに電話をし、一緒におばあちゃんに会いにいかせてもらうことにしました。

そして翌15日の日曜日、おばあちゃん宅に到着し、部屋に入ると、ちょうどトイレから出てきたところでした。入院中呆けてしまったためオムツで過ごしていたと聞いていましたが、この日会ったおばあちゃんは呆けた様子はなく、「家族に迷惑かけたくないからあたしができることはちゃんとしないと。」「みんなに迷惑かけないようにしたいと思ってね」と繰り返し言いながら、細くなってしまった脚でゆっくりと歩き、布団に横になりました。

子どもたちがひいおばあちゃんのお見舞いにと折り紙細工を作ったので、おばあちゃんの目の届くところに置き、私と子どもたちの計4人で枕元に座り「早く元気になってくださいね」と声をかけると、おばあちゃんは子どもたちの年齢を聞き、「もうそんなに大きくなったのかい?」と目を細めたと思うと、私に「あんたの仕事は子どもたちを健康に育てることだからね、がんばって」と言い、次に子どもたちに「みんなお父さんお母さんを大事にして、勉強がんばるんだよ」と最後の言葉みたいなことを言うのです。そして私の手を握って「遠いのに来てくれてありがとう、ありがとう」と何度も言って涙を流すので、私たちも涙をこらえきれず、泣きながら「遠くないですよ。またすぐ来ますから」と言うのが精いっぱいでした。

おばあちゃんは実の娘(義母)にも会い、孫やひ孫にも自分の気持ちを伝えられて(私は実の孫ではありませんが、きっとあの言葉は孫たちみんなに対しての気持ちだったのではないでしょうか)満足したのか、次の日脳梗塞で意識を失いました。もう治療のしようもないということで、家の布団に横たえられ、安らかに眠ったまま約10日後に最期を迎えました。

葬儀の前に夫のお姉さんと、「あんなに幸せな一生の閉じ方はないね。生前どうやって生きてきたかがこういう時にも現れるんだね」と話をしました。誰からも嫌われず疎まれず感謝を忘れず、そして最期まで寝たきりにならず、人に迷惑をかけたくないと言って本当にその通りにして幕を閉じたおばあちゃん、偉大です。おばあちゃんとの直接の交流はそれほどなかったけれど、その生きざまにより多くのことを教えてもらいました。

結果的にあの日がおばあちゃんと言葉を交わした最後の機会になってしまったのですが、あとから思い起こすと私から「ありがとう」という言葉をかけることができませんでした。。。それで今日、駅の構内に設置された七夕の笹飾りに「おばあちゃんありがとう。どうぞ天国で楽しくお過ごしください。」と書いて結びました。

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